小人のローナ | ||
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2008/04/27(Sun)
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気になるところをメモです。。。 P.63 「墓守の小屋」より 「ときによると、表面に鳥性(バードセルフ)を出したほうが都合がいい場合が あるんだ」 墓守はやっと口を開いた。 「そのうちに分かるだろうが、誰でも自分の中に獣性(ビーストセルフ)を持っている。 獣性だけじゃない、鳥性も、愚かしい魚性(フィッシュセルフ)も、それから うねうねと這いずる、蛇性(サーペントセルフ)もな。。。 そういうものを押し殺すには、そうとうな力が要るのさ。 本当をいうとね、樹性(ツリーセルフ)だって水晶性(クリスタルセルフ)だって、 わしも知らないような『性(セルフ)』がまだまだいくらもあって、それがみんな 調和してひとつになっているんだ。 だから、どの『性』が、いちばん多く外に出るかを知れば、相手がどんな人間かを 判断することが出来る。」 P.142 「危機」より ローナは15歳にしか見えないのに、子供達の中では一番年上で、たくさんの 子供達をずいぶん長く世話してきていた。かれらは、その顔つきも行動も、 まだ物心つかない赤ん坊とそっくり同じで、彼女のことを母親と思い込んでいた。 そんな彼らは、いったい成長しているのだろうか? わたしは疑問だった。 かれらは時間というものをほとんど知らなかった。自分の年齢も知らなかった。 ローナは、自分をいつの時代も生きてきた小人だと信じていた。 知慧にあふれ、しかも知識のからっぽな彼女は、かれらの「愛」であると同時に、 かれらの「法則」だった。 けれど、わたしには無知としか見えないことが、実は私の洞察力のなさの証明 なのではないだろうか。 彼女ははっきりと心を痛めている問題は、小さな民族を大きくしてはいけないこと。 それだけだった。 だから「良い巨人」はかれらのために力を尽くさなければならなかった。 そんな小人たちの性質について、それ以上の知識も持たず、またかれらの 歴史についてもろくに知らないのでは、いくら「良い巨人」だって何ひとつ 出来やしない。そのために小人たちと別れなければいけなくなる。 かれらはいつまでも、昔どおりの彼らでいることだろう。 かれらは間違っても私を頼ったりはしない。 かれらは相変わらず私の守護者であって、けっしてその逆ではない。 <中略> 知識というものは、悪い人々をさらに悪くするには違いないけれど、同じく 良い人々をもっと良くすることが出来る。 彼らに数学を学ばせよう、と私は思った。それに、囁いたあとで忘れてしまう あの美しいメロディを書き留める方法も、教えられてはいないのだろうか? P.148 最後まで残ったローナは、赤ん坊を抱き上げて、彼女の頬に赤ん坊の キスを受けると、私の目を見つめながら囁いた。 「キャット・ウーマンは、あなたを傷つけたりしないでしょう。」 そう囁いたきり、あとは一言も言わずに立ち去った。 <中略> 私はもう一度振り返って、彼らの後ろ姿を見つめた。 彼らはその愛らしい心に曇りひとつ持たず、じゃれあいながら帰ろうと していた。ただ、赤ん坊を抱いたローナだけがその列を離れて、ひとり ポツンと歩いていた。 私は歩きながら考えをめぐらせして、あの小さな友達の性質をいくつも 思い出した。 わたしは一度、小人たちに悪い巨人の土地なんか棄てなさいと忠告して ほかの土地をもとめて一緒に旅に出ないかと持ちかけたことがあった。 けれど、彼らはその時こう答えた。 「でも、そんなことは俺たちににつかわしくないよ!」 彼らの郷土愛はそれほど強いものだったから、まるで土地が彼らの生命に 不可欠なもののようにさえ思えた。野望も恐怖も、不快も強欲も持たない 彼らには、なんらかの『変化』を必要とする理由がなかった。 彼らは間違ったことなど憶えこんではいなかった。 <中略> かれらをどうやって育てたらいいのだろう? いいや、くどいようだが、彼らはなぜ成長しなければならないのだろう? かれらの環境を改善する方法を求めるうちに、私は知らず知らず 彼らを傷つけてしまうのではないだろうか? それも、傷つけるだけで済むのか? 私の世界に関することを知らせて、彼らの精神をもっと大きく広げること。。。 それは逆に彼らを歪め、弱めさせる種にならないだろうか? 彼らが巨人になるきっかけとしての成長に恐れを抱くのは、おそらく 本能と言えるかもしれない。 博愛主義者の役割は、ときとして、とても危険なものになる。 他人に善をほどこそうとする人間は、まず最初に自分が悪事を働かない ように心を鍛えなければならない。 そして、そのためには自分の両目をふさいでいる鱗を、まず落として しまわなければいけないのだ。 | ||
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